『 クラゲ 』

水槽の海月をみると好きだった帽子をおもいだしてくるしい


クラゲのイメージからすると、かわいらしい帽子だろうと想像します。かわいらしい帽子が好きという人物がいて、さらにその帽子がくるしい記憶に結びついているというのが印象的でした。好きとくるしいが表裏一体で、クラゲのようにふわふわ感情の波を漂っているような印象を持ちました。
抹茶金魚さん

この歌は一見、平凡には見えますが『水槽』から室内を連想させ、この空間の使い方が巧いですね。ここには主体と水槽と海月しかいない。室内なのに雨まで降っていそうだ。実景と言うよりも多分に心象でしょうが、海月の揺らぎと失くした帽子への痛み。このシンクロが、言い知れぬ『くるしい』を際立たせていますね。好きな歌です
久哲さん

クラゲを見て好きだった帽子を思い出す、とてもシンプルな表現なのに奥行きのある歌だなと感じました。失ったものは、特に好きだったのに失ったものはたいてい、二度と同じものは戻ってこない。そういう種類の苦しさでしょうか。水槽のクラゲという非日常的な情景から、好きだった帽子という日常まで一気にもっていく、幻想的になりがちな題をあくまでリアルに描いている歌だなと思います。好きです。
七緒さん

「おもいだしてくるしい」がすごくいいなって思いました。
普段いつも意識してしまう記憶ではないところにある、ぼんやりした記憶に妙に胸が締め付けられるような気持になってしまう感じってあるんで、そういうのかなって思います。淡い郷愁のような。
水槽の海月からの帽子の連想がなめらかで、そこからの「くるしい」の意識の飛ばし方も好きです。
しま・しましまさん

クラゲの形状を考えると、ベレー帽でしょうか。そして触手と髪の毛を重ね、好きだった女の子の姿を思い出す男の子の心情だと読みました。
「帽子」までは漢字を多用しているのに対して「おもいだしてくるしい」はひらがな。大人になった主体が思い出してしまうのは幼少期の記憶でしょう。背景にどんな物語があるのか気になる読後感です。
倉橋千帆さん

かたちとしてはベレー帽やキャスケットのような帽子でしょうか。好きだったけれど今は手元にはない帽子なのでしょう(あるいは自分の帽子ではなく誰かのかぶっていた帽子?)。何かそれにまつわる特別な思い出があったりする帽子だったのかもしれませんね。
くるしくなるのがわかっているのなら見なければいいのに、と思いますが、それでもたびたび海月を見てしまうのかなという気がします。

桔梗さん

どんな帽子だったんだろうか...と想像すると楽しくなりました笑。そして結句の「おもいだしてくるしい」っていうのもいいですね。くるしいの?...そんなに?...って笑。 さぞかし素敵な帽子だったんだろうなあ。ぜんぶひらがなで表記することでコミカル感というか硬くなりすぎない雰囲気を作っていてとても好きでした。
街田青々さん

「おもいだしてくるしい」の平仮名表記がいいです。好きだったのにくるしいし、くるしいのに見ずにはいられないという感情の揺らぎが、クラゲのイメージに合っていると思います。
薄荷。さん

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