『 クラゲ 』

僕といふ人もゐたねと砂浜で君はクラゲに語るのだらう


村木道彦さんの「するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら」をちょっと思い浮かべました。
「君」の中で「僕」はどんな存在だったのかを語る相手がクラゲというところが、どこか物悲しくもありおもしろいですね。
桔梗さん

「思い出してもらえる関係」として「僕」が存在するという切なさに着目しました。そしてそれを語る相手が、砂浜で絶え絶えになりつつあるクラゲ。悪態をつかれるか、それとも「いい人だったのよ」と吐息のように漏らされるのか。クラゲの存在感のように拠り所のない雰囲気があって、私は何度もこの歌の前を通り過ぎて戻ってきました。
これは私の空想ですが、もし、この主体「僕」がもう亡き人であったのならば、まるで絵本のような淡い色合いの美しさもあるなぁと思います。自分の想い出の中にいる人のことをクラゲに語る女性は、恐らく、他の人の前では「僕」のことをすっかり忘れて消し去ったふりをするのでしょう。そうあってほしいと願う主体の儚い願望が何ともクラゲにマッチングしていて、愛しい歌だなぁと感じ入りました。
ひの夕雅さん

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