『 クラゲ 』

ああなんてクラゲ一匹打ち捨てて海は大きな瘡蓋だろう


この歌のおもしろさは、冒頭〈ああなんて〉が、散文的に読めば〈海は大きな瘡蓋だろう〉にかかり、流れで読めば〈クラゲ一匹打ち捨てて〉にかかる(後者は「なんてことだろう!」みたいな、嘆き・驚きに見えます)、という一見たんじゅんに見えて、重層的な構造にあると思います。そして〈海〉を〈大きな瘡蓋〉に見立てるという発想も、面白い。それが、〈クラゲ〉を〈一匹打ち捨て〉ることによって(ちゃんと?)〈瘡蓋〉になった、というなんて。強引で短歌的な飛躍を含んだ発想がすごいと思いました。技量と、力技の両方を使った、力強い歌です。
斎藤秀雄さん

下句のポエジーに惹かれます。それだけに上句は勢いで作ってしまったような感があって、もったいないような気がしました。
シュンイチさん

下句の印象がつよい一首だとおもいました。渚から波がひいてゆく感じと、瘡蓋を剥がしゆく感じとは、案外似ているのかもと気づかされました。
計以さん

「海は大きな瘡蓋」という表現に惹かれて選びました。初句の「ああなんて」は大きな詠嘆のみですので、違う言葉でも良かったかもしれません。
高村七子さん

クラゲの方が瘡蓋なのではなく、海が瘡蓋だというのがおもしろいです。初句の「ああなんて」というやや大げさな詠嘆が、絵本の語り口のようで合っているように思います。
桔梗さん

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