『 雌雄 』

雌雄なき天使に産まれ損なひて自涜じとくののちのあおぞら深し


「自涜ののちのあおぞら」には、行為によって得られるすがすがしさとうしろめたさの相反する気持ちが表れているように思います。「産まれ損なひ」と書かれていますが、実際に主体(筆者)が性別のない天使に産まれることを望んでいるのかなぁ、そうではないよなぁと感じます。
寿々多実果さん

うたがおおきくていいですね。天使に産まれ損なひて自涜、という壮大な物語から個人へひゅーんと降りてくる感覚がすてきです。そこからさらにあおぞらという巨大な空間へと帰っていく構成がおもしろいです。一点、些細な漏れでしょうが「あおぞら」は「あをぞら」かと思います。
宮本背水さん

「あおぞら」の表記が惜しいです。
太田宣子さん

永遠に埋めることのできない雌雄の違いを持って人として産まれたこと、あおぞらは切なく、悲しく、美しいと思いました。
けらさん

個人的に「産まれ損なひ」の主語が何なのか少々戸惑ってしまいました。「生まれ損なひ」だったらすんなりと読み進めたかもしれません。
ひの夕雅さん

背徳の念と青空を対比させていて面白いと思います。
天使のイメージは人それぞれ違うと思いますが、私は堕天使ルシファーをイメージして読みました。美青年で表現されるミカエルや、子供のような天使、女性をイメージさせる天使もいますので、読む人によって捉え方の変わる歌なのかなと思いました。
大西ひとみさん

最後の「あおぞら深し」が胸に響きました。このお歌は私の中では2とおりの解釈があって、「天使」が主体自身なのか、主体に宿った命なのか、ということですが、どちらであっても個人の力ではどうにもならないことであり、自然の摂理や神の力の前では無力な人間というものを感じました。
岡桃代さん

今回、いろんなものに雌雄があることを知れて面白かったですが、逆に雌雄が無いことについて触れている歌が意外と少なかったなと思います。その中で、雌と雄の対比ではなく、「天使」と「自涜」という雌雄の有無を対比させているのがとても印象的でした。「産まれ損なひて」が、罪悪感と背徳感の表現として突き刺さります。青空というのもまたうしろめたさが強いですね。けれど同時に、そんな人間の獣性をどこか認めているような潔さがあって、力強い歌だと思いました。
七緒さん

どこか不完全な人間として生まれてしまったことに対する忸怩たる思いみたいなものがあるのでしょうか。それでもどこか抗おうとしているような背徳的な感じが好きです。かな表記は「あお」→「あを」ですね。

桔梗さん

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