『 雌雄 』

うつくしき雌雄モザイクアゲハチョウ不完全とも完全とも見え


雌雄モザイクアゲハチョウ、調べてみると、左右非対称の模様や色の微妙な違いがあり興味深い蝶でした。しかし、生殖能力はない場合が多いようで、その代限りのものになるようです。
生命体として不完全で、デザインも歪な蝶を完全とも見える、というのはちょっとよくわからないな、と思いました。
せしんさん

不完全を愛する、日本的な美学のある歌と思います。完璧とは言いかえれば予測可能であり代替可能である気がする。時間や自然や人生を私たちがかけがえなく思うのはその唯一性、一回性にあるのだなあと、そんなことを思いました。非常に共感します。
WPPさん

それぞれの感性によるのでしょうが、個人的には雌雄モザイクの昆虫に対して美を感じます。一体のからだに雌雄の両性を持っているということ、それはたしかに不完全にも完全にも思えますね。それを初句「うつくしき」と言い切ることに好感を持ちます。全体として実感をやや直截すぎる形でうたっているようにも感じてしまいましたが、言いさしとなる結句がおもしろく余情ある読後感を呼んでいるように思いました。
宮本背水さん

最初読んだときに、すぐ「きれいだな」と思いました。下の句につながる音の響きもよく、すなおな描写でありながら、対象が複雑で、そのバランスが絶妙だと感じました。
岡桃代さん

「雌雄モザイクアゲハチョウ」のリズム感が印象的でした。結句をあえて整えていないところに不完全さも現れていると思いました。
かざなぎりんさん

芸術を解する人間にとっては完全完璧な芸術ですが、チョウにとっては子孫を残せないわけですから不完全と言うことでしょう。「うつくしき」から始まり、不完全と完全を対比させることで、結句の「完全」がより際立つ流れがいいなと思いました。切り口の面白さを感じました。
大西ひとみさん

遺伝子異常などにより半分ずつ違う性別の体を持つ蝶のことをいうようですね。雌雄同体の生き物とは違う意味合いでふたつの性を持つ個体な訳ですが、生物としては不完全であるれれど、うつくしさとしては完全であるように主体には見えたのでしょうか。
桔梗さん

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