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卒塔婆の新木の香も抱きつつ子らは血筋のはなし聞きおり


卒塔婆っていつ作るのか分からないんですけど、新木だから亡くなって間もないんですよね。だから哀しみも新しい。哀しみと新木の香の両方を抱きつつ、子=若い世代は亡くなった方の血筋というか生い立ちを年長者から聴いている。世代間の哀しみの質の違いもうかがえる歌だと思いました。
井筒ふみさん

下の句から、何ヵ年かの法要の様子ではないかと拝察しました。私の地元では卒塔婆をやり取りする文化があまりないのですが、法事の度にお参りのしるしとして立てるというのを聞き齧ったことがあります。血筋の話というのも穏やかでどちらかというと「思い出」を語るに近い印象を受けます。
こどもたちは卒塔婆に刻まれる梵字の意味や戒名(法名)のことを次々に質問したりするのでしょうね。それを一族の年長者やお寺様が丁寧に説法している情景が浮かびました。新しい木の香りというエッセンスも空気が幾分温んだ季節を想わせ、非常に穏やかで静か、且つ暖かい印象のお歌だと思いました。
ひの夕雅さん

この歌にノスタルジーを感じるほど、現代人(私だけか?)はご先祖様やお墓に関心を持ってないのだなぁ、と改めて思わされました。子供の頃、意味もよくわからないまま繰り返し聞かされることが知らぬ間にしみ込んでたりする感じ、語り継ぐことの大切さ、を思いました。
WPPさん

どういうタイミングで卒塔婆を新調するのかよくわからないのですが、亡くなられた方の納骨時か、あるいは時期的にお彼岸のお参りかでお寺に行ったときのことなのでしょうか。いまのお家には仏壇もなくて、自分がどういう先祖を持っているとか、何をしていた人だったとか考える機会も少ないのだと思うのですが、お墓に刻まれた名前を見ながらなんとなくそんな話をしているという場面は微笑ましい感じです。ただ、「香も」の「も」が気になりました。

桔梗さん

お歌の様子で、特定の故人の話というよりご先祖様の話と感じたので、四十九日までの法要ではなく、それ以降の法事を思い描きました。お盆やお彼岸に卒塔婆を備えることもあるようですね。地域性や時代によって様々です。お墓参りのときは花や水桶や線香など荷物が多く、家族がそれぞれ担当して、子供が卒塔婆を持っているのだと思いました。あんまり小さい子なら振り回しそうな形ですね。それを諌めているのかな、とも思いました。
お墓参りの時に、先祖の話を受け継ぐというのは宗派を越えてとても自然な素朴な信仰の形だと思います。じんわりした味わいのお歌ですね。
仙冬可さん

この歌では、「卒塔婆」は「そとうば(またはストゥーバ)」、「香」は「か」とお読みすればいいのでしょうか。いずれも複数の読み方がある字であるため、最初なかなか定型に当てはまらずに戸惑ってしまいました。
また、「香も」の「も」にも引っ掛かってしまいました。他に何を抱いているのだろう…骨壷…?(違うか
歌のテーマはすごく良いなあと思います。思っただけに、細かい表記に引っ掛かってすんなり入り込めなかったのがとても残念です。
深影コトハさん

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